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議論を簡単にするために、ネットプレゼントバリュー(正味現在価値)を考えなければ、毎年5億円ずつ損した。
5億円×4年xx億円、儲けそこなった。
でも、100億円失ったわけじゃないですね。
だからクレジットリスクは元本の100%じゃないのです。
貸し金とか、銀行間の預金取引とか、そういう元本分100%のリスクすなわち元本がパーになるのと違って金利スワップというのは想定元本100億円のxx%とか、xx%とか、そのくらい分のリスクしかないのです。
ましてや、金利スワップをやって、Aがこけたときに皆の予想と違って金利が上がっていた。
残り4年がxx%になっていたとしましょう。
スワップを組み直して、Bとやったら8%のかわりにxx%の固定金利を受け取ることが出来るようになって。
Aがこりたら事態が改善してしまうことだってあるのです。
ですからこのように儲かってしまう確率まで考え合わせて、この金利スワップのリスクは想定元本のxx%とか、xx%と計算されるわけです。
言いたいことは金利スワップの場合には100%のリスクじゃない。
貸し金とか、銀行間の取引と違って元本100%分のリスクじゃないよということなんです。
米銀では、社内的にですけれど、審査部にクレジットラインを使うのなら審査部にお金を払わなくちゃいけないという話をしましたね。
そうすると、銀行間の預金取引をするよりスワップ取引をした方が審査部に払う金額が少なくて済みますよね。
このようにクレジットラインを使うとお金を払うという仕組みを導入することによって会社全体としても相手に対するクレジットリスクをむやみに増やさなくてすむことになります。
スワップのときに話しましたけど、同じ相手行と反対取引をやった場合には今後の儲け分を、ネツトプレゼントバリューに直して、一括でもらうという決済方法がある。
この決済方法を選択するモチベーションというのは今後の利益を先にもらってしまい、クレジットリスクを減らしておこうというのが大きいのです。
信用リスクに関して、もう一つだけ話をします。
これはちょっと脱線ですけれど、普通、銀行間でお金を貸す場合に貸す方が借りる方の信用度を調べるわけですね。
例えばMS銀行がA銀行に貸すとすると、「このお金はちゃんと満期のときに返ってくるかな」とMS銀行がA銀行のクレジットを審査するわけです。
お金を借りるA銀行はMS銀行のクレジットを審査する必要はないですね。
ところが私が三井信託銀行にいた時、逆に借りるときも借りちゃいけないよというリストがあったのです。
それは長い期間のお金ではなく、今日から明日までというオーバーナイトのお金を借りちゃいけないよというリストでした。
オーバーナイトのお金というのは入ってすぐ返すのですけれども、入金確認をする前に返す手続きをしないと間に合わない。
そうすると入金を確認する前にお金を返す指示を決済銀行に出しちゃうリスクがある。
ということで1日間という短いお金のときには借りる方も貸し手の信用度をチェックするということはあります。
これは脱線の話です。
次に流動性リスク。
流動性リスクというのは個人で言うと売りたいときに売れないリスクですよね。
いろんな変なものを買っちゃって、お金が必要になったときに売れなくなっちゃう。
これを俗に流動性リスクと言います。
ところで銀行で流動性リスクという時は多少違います。
ベーシックサープラスとは、なんぞやという資料、です。
最近はどういうわけだかベーシックサープラスという概念があまり話題にならないんですけど、昔は非常に流行っていました。
多くの人が口にする概念でした。
期末など銀行間の流動性がなくなることを心配して多くの外銀がベーシックサープラスを気にしていたことがありました。
実際、流動性の問題が起きれば日銀が一生懸命流動性を供給するので問題ないと思うのですけど。
ベーシックサープラスの概念というのは異常事態が起きたときに預金が出ていってしまう。
負債サイドがどんどん縮小していく。
アセットも減らさないと払い戻しに必要な充分な資金が用意出来ない。
X週間後と書いてありますけど、よく3週間後を計算させられました。
3週間でどのくらい資産サイドを負債サイドより、より多く減らせるかという計算なのです。
負債の減と資産ライトの減との差がベーシックサープラスということです。
クッション部分。
預金が減少していっても、なかなか貸し金は減らせないだろう。
貸し金の満期分があれば、その部分は減らせる。
有価証券は、なんとか売れる、そういう前提で計算して、預金が減るよりも資産をより多く減らせれば、預金流出時に資金手当てが出来る。
したがってベーシックサープラスを絶えずプラスにするようコントロールすることが必要になってくるのです。
この概念、日本の銀行にとって今こそ重要なコントロール手法かもしれませんね。
日本の国債の金利が非常に下がっている。
ベーシックサープラスという概念があるとかないとかは別としまして、預金が多額に流出したときのために流動性を確保しておかなくちゃいけない。
売らなくちゃいけないときに売れるのは国債だろうということで、きっと国債が買われているのではないでしょうか。
ただ全員がそうやって流動性目的で買っていると、売ろうと思ったときには皆が売りたい状態になって、誰も買ってくれなくなるのではないかと私は危倶します。
以上流動性リスクについてです。
次に「ハイリスク、ハイリターン」の原則が適用されるマーケットリスクについてお話ししたいと思います。
今まで述べてきたのは低ければ低いほどいいリスクで個人投資家は取ってはいけないリスクだと私は思います。
例えばアルゼンチンの債券。
金利高かったですね、同じ期間の他の債券に比ペて。
クレジットリスクが高かったから当然高い利回りがあったわけです。
非常に利回りが高いというので喜んでホイホイと買ったということは、高いクレジットリスクというリスクを取ってしまっていたということなのです。
私は「マーケットリスクを取るのは頭脳ゲームだ」と思っているのですけれども、このクレジットリスクとか、その他のリスクというのはよく分かんないですね。
考えても分かるものじゃない。
「アルゼンチンが危ないかどうか」などというのは個人投資家じゃ絶対分からない。
アルゼンチン危機の直前でも、確か格付け会社はいい格付けをアルゼンチンの債券に与えていたと思うのです。
格付け会社というプロでさえ分からないものを個人投資家が分かるわけがない。
個人投資家がそういう分からないリスクを取って、儲けようとするのは危険なことじゃないかと私は思います。
いろいろな機関、個人投資家が多少利回りがいいということでいろんな社債を買っていますけれど、私はやるべきことじゃないと思ってます。
取るぺきなのはマーケットリスクで、それもちゃんとしたリスクコントロールシステムを作りあげた上でリスクを取らなくちゃいけないのです。
昔、M銀行ではリスクコントロールシステムが発展しているということで、邦銀の企画部の人たちがよく私のところに、聞きに来ました。
私がその当時言っていたことは「邦銀はリスクコントロールシステムが出来ていないのにリスクを取っている。
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